時間を捻出する上で重要になるのが、「しなければいけない作業にかける時間をいかに短縮するか」、つまり仕事などにおける「作業の効率化」が重要になります。「働き方改革」の推進が求められる状況では、個人としてだけでなく企業としても、「効率化」が求められる状況でしょう。
そのような中で、巷には「効率化テクニック」に関する情報が溢れかえっています。しかし実際にそれらの作業効率化テクニックを使ってもなかなかうまくいかなかった、ということがあるのではないでしょうか。「そもそも、自分が今なぜ効率的にできていないのか」ということを考えずに、自分の非効率ポイントと関係ない効率化テクニックを使っていては、効率化できません。
そこで今回は、「自分が効率化できていないポイント」を検討するために、作業効率化のためにクリアすべき「2つのハードル」を検討します。また、それぞれのハードルに対する効率化テクニックを、僕の実例も踏まえて紹介します。
この記事では、作業効率化テクニックを使う前に、どの作業効率テクニックを使うべきかを判断する視点を手に入れます!
作業効率化のためにクリアすべき「2つのハードル」:取り掛かる、集中する
作業の効率化の手法は様々あります。実際に作業効率化のための手法が世間で多く紹介されています。例えばポモドーロテクニックはwebサイト、ブログで多く取り上げられ、YouTubeやアプリでこのテクニックにあやかるためのポモドーロタイマーが多く存在します。
あるいは、「作業の最初に目標を明確化し、作業の全体像を俯瞰して、作業を細分化する」といったHowToが紹介されていたり、それをサポートするツールもあります。
しかし、「作業効率化」でググって出てくる多くのサイトが紹介しているのは、作業効率化でクリアすべき「2つのハードルの2つ目」に関する情報ばかりで、実は1つ目のハードルについては「作業効率化」という観点ではあまり語られません。僕のようなグダグダ非効率人間にとっては、この2つ目のハードルを超える前段階の1つ目のハードルが大きな難関になるので、その越え方が重要でした。
僕の言う作業効率化のためにクリアすべき「2つのハードル」とは・・・
とても当たり前のことですが、このどちらがうまくいっていないのかをはっきりさせていないと、実は「取り掛かる」のに時間がかかっているのに、「集中する」ためのスキルを使って作業の効率化を図る、というまさに効率の悪いことを行なってしまいかねません。なので、作業効率化(だけでは実はないけれど)を考えるにあたり、まずは「取り掛かる」と「集中する」のどちらに今課題があるのかをまず特定してみましょう。
作業効率化で考える「取り掛かる」って何?
では、そもそもまず「取り掛かる」とはどう言うことでしょうか。
例えば、効率的な作業をするに、古くなりすぎたPCを新しいものに替えることを検討することもあるでしょう。これは、「PCが古くなりすぎたせいで処理速度が低下し、行っている作業が遅くなっている」のを改善するという意味が強いですが、それ以外にも、「使おうと思った時に電源を押して立ち上げようとしたら、起動するのに時間がかかりイライラする」ということも改善してくます。この後者に当たるのが、ここで取り上げる「取り掛かる」な訳です。いわゆる「仕事モードに切り替える」ということ❗️
ポモドーロテクニックにしても、先述したHowToにしても、すでに「取り掛かる」が済んでいるから「集中する」のために行うことであり、そもそもその作業に取り組もうという状態にならなければ使えません。PCだけでなく自分自身も、まずは素早く「取り掛かる」ことが、作業効率化のためには必須となります。
僕の場合、仕事でもなんでも、「あー、これをしなきゃいけないんだけど、やる気起きないなー」とダラダラしてしまうことが多々あります。時間をかけてなんとかデスクに向かって、「よし、ポモドーロタイマーをつけて!まずはタスクを俯瞰して・・・」と集中できたとして、そもそもその前のデスクに行くまでのかかった時間が半端ない、ということがしばしばあります。これだと、仮にやり始めてからは効率的にできたとしても、結果としてその作業をするのに時間がかかっている=非効率であることに変わりありません。
巷で「作業効率化」と検索すると、そのほとんどが「集中する」ためのテクニックになっていますが、まずは自分に必要な作業効率化が「取り掛かる」と「集中する」のどちらのハードルをクリアするためのものなのかを検討してみましょう。
作業効率化のためのテクニックいろいろ
「取り掛かる」と「集中する」ためのテクニックは重なる部分も多くあります。例えば、「誰かと一緒にやる」というのは、「よし、やろう!」というきっかけにもできるし、「一緒にやってるんだから自分も頑張ろう」という集中維持にもなるでしょう。
実際に「取り掛かる」と「集中する」のテクニック、また両者に共通するテクニックを、僕がやっている例も含めて紹介します。
作業に「取り掛かる」を効率化するテクニック
「集中する」とは違う、「取り掛かる」特有のテクニックとして大事なことは、どう「きっかけ」を作るかというところ。某CMで「やる気スイッチ」と言われていたものがそれにあたるでしょう❗️
これらの具体例は全て僕が実際にやっていることになります。
この中でやっぱりありがたいのは、Echo Showやfitbitなどのデバイスによるアラームです。「この時間にこれをする!」とルーチンとして決めてしまって、そのスタートは文明の利器に頼ってしまえばいいのです。実際に、このようなアラームの利用は、子供が自宅で勉強を始める際にも有効だと感じています。
「取り掛かる」は自力ではなかなか難しい!自分以外の力を積極的に使うことを検討してはどうでしょうか?
作業に「集中する」ことで効率化するテクニック
こちらは本当に多くの方法がすでにいろんなところで取り上げられていると思うので、今更な感じがしますが、やはり僕がしている方法も踏まえて紹介します。
この中で僕にとって特に役立っているのが、Notionによるプロジェクト・タスク管理になります。
僕は本業でNotionを用いて仕事を管理しているのですが、何らかのプロジェクトが立ち上がると、プロジェクトデータベースに新規のプロジェクトデータを追加し、まずプロジェクトの開始日・締切を設定して、次にそのプロジェクトの中で生じるタスクを細分化して列挙し、各タスクの締め切りを設定してしまいます。つまり、「作業の構造化」をNotionでやっていることになります。
あとはNotionの僕のホーム画面上で、「今日のタスク」として、その日を締め切りに設定したタスクが表示され、それをこなすと完了のチェック欄にチェックを入れる、という運用ができるようにしています。
このNotionで自分で作ったホーム画面やプロジェクトデータベースが、自分で設計しただけあって、自分の使い易い環境になっていて、仕事がし易い。好きなツールを使うことは、仕事を集中して行うためにとても重要だと思います。
最近はこのデータベースをアレンジして、このブログの運営管理もNotionで行うようになりました。
僕のプロジェクトデータベースの構成に興味がある方がいるようであれば、そのうち紹介してみようと思います。
ちなみに、ポモドーロテクニックは、使い所に注意が必要だと思います。例えば、自然と1,2時間くらい集中できてしまう作業(例えば僕にとってはこのブログ執筆です)なんかをしているときは、25分ごとに休憩が入るのがむしろ煩わしく、ポモドーロタイマーをかけていても全然意味をなしていません。無音かちょっとした音楽をかけておくでいいかなと思います。
一方で、あまり気乗りしない仕事をするときには、短時間集中して短時間休憩すると言うやり方は理にかなっていると思うので、積極的にポモドーロタイマーを使っています。自宅ではEcho Showのアレクサスキルを以前使っていましたが、実は自宅での作業は大体自然に集中できるので、最近は使わなくなりました。本業では職場でYouTubeのポモドーロタイマー動画を時々使っています。
「取り掛かる」「集中する」共通の効率化テクニック
「取り掛かる」と「集中する」のどちらにも繋がるテクニックもいろいろありますね。
コンディションを整える、というのはとても当たり前なんですが、なかなか常にはできないですよね。自分を律することの難しさを感じます。
糖分摂取は過剰にすると眠くなりますが、取らなさすぎると集中できなくなります。カフェインも眠気覚ましにいいですが、取りすぎると頭痛や動悸の原因になるし、遅い時間に摂取すると夜眠れなくなるので本末転倒ですね。僕はコーヒーで言えば1日1,2杯にとどめ、夜7時以降は口にしないようにしています。
無駄を省く作業は、現在頻繁に繰り返す作業を振り返ってみると、意外とできることが多いと思いますよ。僕は昔はよくExcelのマクロを組んでいましたが、最近はMacやiPhoneのショートカットを利用することが多いです。例えば、朝のストレッチのための動画再生や、Word文書のpdf化、画面の部分的なスクリーンショットなどを、クリック1つ、ドラッグ&ドロップ、あるいはショートカットキーで簡単にできるようにしています。この辺りは、以前紹介した「ルーチン継続の工夫」と共通しています。
あとは、好きなガジェットを使うことですね。僕はMacBook Air(MBA)で主に作業をしていますが、外付けの大きなディスプレイをメインモニターにして、MBA自体のディスプレイはサブモニターとして使っています。モニターもMBAもダブルアームのモニターアームにつけ、CalDigitのTS4を使ってThunderbold4を1本MBAに挿せば、メインモニター、電源、TS4、TS4に繋がったSDDなどにすぐに繋がるようにしています。なのでコードを1本抜けばすぐにMBAを持ち運ぶこともできます。デスクツアー系YouTuberの影響受けまくりですが、とても便利です!
テクニックの4つの本質=自分の状態、作業内容、作業環境、人の力
ここまで上げてきた作業効率を上げるための「取り掛かる」と「集中する」に関する効率化テクニックは、別の軸で見ると大きく以下の4つのどれを調整したのか、と言う本質に分類されます。
1つ目は「自分の状態」を整えること。集中できるようなコンディションに整えたり、維持したり、仕事に向かう気持ちに持って行ったり。やるかどうかは自分次第ですが、そもそも自分を律することが難しい、という物ですね。
2つ目は「作業内容」を工夫すること。不要な作業は無くしたり、ルーチン化したり、細かく分けたり。これも色々工夫しやすい部分はあると思いますが、仕事内容によってはなかなか難しいこともあるでしょう。
3つ目は「作業環境」を調整すること。デスクを整頓したり、いろんなツールを用いたり。外的な力での効率化になるので、実現できればとてもいいアシストになると思います。一方で、準備のための時間とお金がかかる可能性があります。
4つ目は「他の人の力」を借りること。同じ目標を持っている人と一緒にすることで、最も効率化へのパワーを発揮してくれる可能性がありますが、相手が同じ気持ちを持っていてくれないと力を借りることはできませんし、中途半端に一緒にすると雑談したりしてむしろ効率化を阻害する可能性があります。
自分の特性や状況によってどのテクニックが使えるか・適しているかは異なると思いますので、自分にとってやりやすいテクニックをチョイスしましょう。
「取り掛かる・集中する」のどちらを効率化しますか?
今回は仕事の効率化を「2つのハードル」と、テクニックの「4つの本質」という観点で考えてみました。この観点の大事なところは、「自分が非効率なところはどこなのか」をまず把握することで、「効率化すべきところ・使用すべきテクニックを正しく選択する」ということです。闇雲にテクニックを使うのではなく、自分が何を改善するためにそのテクニックを用いるのかを考えることこそが、仕事の効率化の第一歩になります。ぜひ、「効率的な効率化」の第一歩に向けて、検討してみてください。
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