長女・次女ともに計算ミスが多い。それもそのはず、父親がそもそも計算ミス(どころかあらゆるうっかりミス)が多いのだから、遺伝的にも環境的にもミスが多くなるのは仕方がない。
でも、だからこそミスを減らす工夫に関しては一家言があるよ!
「一家言(いっかげん)」とは、「その人独特の意見や主張。 また、ひとかどの見識のある意見」のことだよ。
「ひとかど」とは、「きわだっていること。なみすぐれていること。」だよ。
あれ、ちょっと待って、そこまで独特だったり際立ってるわけじゃなかった。一般的に言われている工夫だった。
長女には計算の工夫についてよくいってたんですが、なかなか浸透しませんでした。それがブレイクスルーすることがここ最近2回ほどありました。それが「約数」と「概数」です。
パパの計算の工夫
とりあえず、パパごんが普段やっている、小学生中学年レベルの計算の工夫をまとめると、主に次のような感じです。
- 和差の順序を工夫するために、「補数」を考える
- 積商の順序を工夫するために、「約数」を考える
- 極端な間違いに気づくように、「概数」で計算してみる
めちゃくちゃ単純。ちょっと具体例を出していきます。
和差の順序を工夫するために、「補数」を考える
これはとても単純で、娘たちもスムーズに取り入れてくれました。例えば、
17+26+32+44+58+63
を計算するときに、この順序のまま計算するのではなく、一の位が補数の関係になっているペアを組み合わせて、
(17+63)+(26+44)+(32+58)
という順序にすることで、80+70+90と簡単に計算できるようになります。
これがさらに発展していくと、「足すと100になる組み合わせ」なんかを見つけて先に計算したりすることができます。
引き算の場合はもちろん、一の位が同じ数字同士で先に引き算をすることで、計算を簡単にできます。
これはとても簡単なので、娘にとっても受け入れやすかったようです。
実は長女、次女ともに最初に一桁の足し算を覚え始めた時に、問題を出して、とよくせがんできたのですが、そんな時は3問に1問は補数の足し算になる問題を出していました。
とにかく補数を覚えとけよー!と念じていたことを思い出します(笑)。
足し算の順序の応用といえば、等差数列の和
足し算の順序の工夫といえば、次の計算方法ですね。
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10 = (1+10) × 5 = 55
ガウス少年が先生に「1から100までの数字を全部足せ」と言われて、即座に「5050」と答えた「ガウスの足し算」の逸話の計算方法です。偉人伝好きの長女はこれが大好き。
この計算方法は、本質的には「初項が1、公差が1の等差数列の和」の公式になります。
中学受験の算数を見ていると、数列を応用した問題が非常に多いので、結構この計算方法の出番は多いように感じます。
積商の順序を工夫するために、「約数」を考える
これがつい最近まで長女に何度か説明したものの、なかなか定着しなかった工夫です。
ただ、先日塾で「約数」を習ってきてから、徐々にこの工夫に気づくようになってきたようです。
そうか、約数の概念からまず理解を促せばよかったのか!次女に教える時には時を見てから教えよう(笑)
具体的には、次のような計算。
25 × 32 = 25 × (4 × 8) = (25 × 4) × 8 = 100 × 8 = 800
63 × 27 ÷ 81 = (7 × 9) × (3 × 9) ÷ (9 × 9) = 7 × 3 × (9 × 9) ÷ (9 × 9) = 7 × 3 = 21
ずっと、「32は4 × 8に分解できるから」と教えていて、一応そのことを長女もわかってくれていたのですが、この約数に分解するという習慣がなかったので、イメージもしにくかったようです。
それが、約数の単元を習って、しばらく約数を求める練習を繰り返した後だと、このことを自分から使うようになった(り、使えるとわかってるのにむしろイバラの計算に突き進んだり)ように思います。
この考え方の最初のステップは、「5の倍数が出てきたら、最初に偶数とかけることを考える」ですね。
少数は分数にする
これは分数をちゃんと習ってからだなぁと思いつつ、少数の計算をしている娘の隣でいつも教えたくてうずうずしているやつですが、
0.25 × 32 = 1/4 × 32 = 8
って教えたいですよね!!!ああ、早く分数に辿り着いてくれ!
極端な間違いに気づくように、「概数」で計算してみる
桁が多い計算になる程、桁を間違えてる、とか、極端なミスをすることが増えてきます。そんな時の対策として、「概数」で計算して、結果が大体これくらいの数字になる、ということを確認しておいて、計算結果がそこから大きくずれていたら明らかに間違いと気づくようにしています。具体的にはこんな感じ。
3263 × 4765 は大体 3000 × 5000 だから、15000000くらいの数字になるな
(正解は15548195)
桁がずれていたり、20000000をこえる結果になったり、逆に10000000くらいの数字になったり、と大きく結果がずれていたら、きっとどこかで間違っているサイン、ということ。
ただ、これあまりしたくないのはよくわかるんですよね。だって、どれくらいの概数で考えればいいかが悩ましくて、その選択を間違うと、大まかに正しいと思っている値が実はすごくずれている、ということに繋がったりするし、そもそも先の2つの工夫と違って、これは計算そのものを楽にしてくれるわけではないから、実際にやらなきゃいけない計算に加えて一手間増えているんですよね。
なので、時間が余ったら検算の一環としてやってみる、くらいでいいかな、と思っています。
ちなみにこの考え方も、当初はなかなか長女も理解できなかったようですが、学校で「概数」を習ってから、なるほどねー、とリアクションするようになりました。カリキュラムを考えて教えるって大事だな、と思います。
ミスは起こると心がけて対処しておく!
なんやかんやと計算ミスを減らすための計算の工夫の話をしましたが、計算ミスをなくす一番の秘訣は「ミスは起こるもの」と心がけておくことだと思っています。その上で、今回話した1,2つ目の工夫のように、「ミスを防ぐための工夫」をしたり、3つ目の工夫のように、「検算につながる工夫」がすごく大事になってくると思っています。
なので、我が家ではテストなどで計算ミスで失点していても、当然ミスを怒る事はありませんが、逆に「これはただのケアレスミスだね」とスルーする事はありません。「どんなミスをしたのか」「どうすればそのミスは防げただろうか・気づけただろうか」を一緒に考えるようにしています。
検算の工夫は他にもいろいろありますが、ひとまず小学校低学年-中学年だとこんなくらいかな、と思いながら今は娘たちと算数に取り組んでいます。
実はもっと根本的なミスの原因もよくある
ちなみに、そもそもこれよりももっと根本的なミスの原因があります。それが・・・
ありえないような超根本的ミスの原因
- 思い込みで演算子を間違う(特に+と-、×と÷)
- 計算途中の字が汚くて読み間違う(9と7、6と0、2と3など)
もはやこれは工夫がどうこうという以前の問題。間違いなく娘たちが僕の血を引いていることを実感します。我が家では、字を素早くそれなりに綺麗に書く、という特訓が必要になりそうです。
素数による選択問題のちょっとした工夫
さて、ちょっと約数の話が出たので、おまけの小話。
先日、リビングで長女がしていた塾の宿題を覗き見ると、面白い形式の選択問題が掲載されていました。こんな感じ(問題の内容は僕が今勝手に作った「熱の伝わり方」に関する問題)。
次の選択肢の中から、熱の性質として正しいものを全て選び、選んだ選択肢の番号を掛け合わせた結果を答えよ。
1. 水で充したビンの上の方を温めたところ、対流によってビンの底の水も温かくなった。
2. お風呂を沸かす時、温かいお湯が風呂釜の底から出てくると、お風呂のお湯全体が温かくなる。このような熱の伝わり方を伝導という。
3. 太陽によって地球が温まるのは、熱の放射による。
5. 鉄の棒の端にろうそくを立て、鉄の棒の逆の端を火で温め、しばらく時間が経つと、ろうそくが溶けた。これは熱が伝導したからだ。
7. 電子レンジで物が温まるのは、熱の対流による。
うわー、理科の問題なのに、算数の勉強にもなる問題じゃないか!しかも、長女はその意図に気づいてなさそう!もったいない!
この選択問題、不思議じゃない?この番号。
確かに・・・。なんで4と6が抜けてるの・・・?前の2つの数字を足して次の数字を作ると・・・それだと5の後が8のはずだなぁ・・・。
おお!フィボナッチ数列を知ってるの!?すごいね!最近数列やってたもんね。
実はこの数字、別の規則があって、ちょっと前に習った「約数」をこの数字で考えてみて。
えーと・・・あ、全部素数だ!でもなんで?
これ、答えが各素数(または1)を1回ずつだけ掛けた数字になるので、どの選択肢の組み合わせが正解だったとしても掛けた結果は一意になるんですよね。
こういう工夫がされていると、気づいた時に嬉しくなるし、勉強もなんだか楽しくなりませんか?
計算も、正直苦行に感じますし、電卓でやればいいじゃん、と思いますが、工夫に気づくと楽しくなると思うんですよね!娘にもその気持ちを感じてほしいなぁ。
娘と一緒に朝活の成果
今回の記事の内容は、普段娘が計算でどんなミスをしているかを僕が把握っできたから書けているものですが、これは何より娘と一緒に朝活するようになった成果です。
娘も集中して勉強し、その中身を僕も把握できる、という好循環を実感しています!
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